文化・芸術

2010年8月12日 (木)

マイマイ新子と源氏の魔法

「マイマイ新子と千年の魔法」DVDで見る。
父清原元輔が国司として赴任した防府時代の、清少納言の童女姿が見られるっていうんで、ぜひとも!って感じだった。

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販売元:エイベックス・マーケティング
発売日:2010/07/23
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物語は昭和30年代。青い麦畑のひろがる国衙跡の遺跡の周辺に住む古い村落の人々と、昔は青い海だったという一帯に進出してきた工場の社宅に住む新興の人々。
知り合う前に死んでしまった遊び相手に恋焦がれる千年前の少女と、そんな彼女に思いをはせる千年後の少女たち。
時空を超えて彼女たちが交わることは決してない。清少納言はまだ自分が何者かに気づいてはおらず、遊び相手の女の子と遊ぶつもりだった人形の着物をつくり、着物の切れ端を川に流す。千年の時を流れ赤い切れ端は金魚になり、千年後の少女たちの心の慰めになる。その金魚もやがて死んでしまうが・・というようなお話か。

絵の美しさはジブリの「トトロ」だし主人公の妹なんかリアル「蛍の墓」の節子だし。
でも、どこがいいって時々挟み込まれる清少納言の周辺の世界がいい。
元輔さま!は和歌を披露してくださるし、
土豪?のおじさまはいい味だしてるし。
これは枕草子のあの場面、これは更科日記にありそう、もう一息で堤中納言物語だ!、いや~この場面はどうみても源氏物語だぞ! こうきたかっ!、
って感じで、私としてはそういう場面を映像で見ることができ大大満足。

・・清少納言や紫式部を思うとき、こんなふうに彼女たちも千年後のことを思ったりすることあつたのかな。
そんなことを思った一編。

もちろん見どころはこんなところじゃない、もっと別なんだけど。
たとえば昼のつつましく勤勉な大人たちが、一方で我欲にまみれ情け容赦なく醜い姿をさらけだす、そんなエピソードのあれこれなんか、ジブリには不可能だろうな、って思う。

麦畑でひとりで「潜水」したり、落ちた川の底から青空を眺めたりする主人公の姿が忘れられない。
物語にはさまざまな「死」が繰り返し描かれているが、それらの「死」にさきだって、「死」を志向しているかに見えるこの主人公の遊びの場面は強烈に美しい。

ま、主人公が高樹のぶ子自身だとしてそれはいいけど、主人公が清少納言と心をかよわすイメージの数々がちょっと・・
・・清少納言の後継者はわたしよっ!
って意味じゃないよね、もちろん。

生田斗真の光源氏で「源氏物語」をするらしい。
ワイヤーアクション・・? CG使うって・・?
え?安倍晴明 も出てくるの・・?

・・陰陽師や怨霊なんかとばったばったと戦いまくる光源氏って。

・・まんま「パタリロ源氏物語」じゃん。
それならそうで、やれんならやってみんかい!って感じだけど。

パタリロ源氏物語! (1) (花とゆめCOMICS (2718))

買ったきっかけ:
・・長男がひそかに買ってた呆

感想:
魔界の闇の勢力VS光の源氏
源氏をバンコランがするのはいいけど、アスタロトを出してほしい。

おすすめポイント:
一人でかっこいいサルガタナス。
あいもかわらぬベールゼブブの負けっぷり。
頭中将のファンのわたしとしてはちとつらい感のあるヒューイット(でも好演)

パタリロ源氏物語! (1) (花とゆめCOMICS (2718))

著者:魔夜 峰央

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2010年3月19日 (金)

別れを言はう

今日を限りでこの職場を去るという方々がちらほら多くて・・

・・わたしもそろそろお世話になった方々にさりげなくお礼など言わせていただいたりしてて。

「あなたがいたからこの一年やってこれた。辛い時には
`これぐらいで挫けちゃダメ。もっと辛い目にあってるひとがいるんだから`
って勇気づけられてた」
ってもはやお礼の言葉ではないような。

「上を見ちゃダメ、下を見ろ。下見て暮らせ、ってか」って気にせずその人も笑いのめしてくれて。

・・夕映えの夢前川を見て帰った。

どっかで見つけたケータイ小説風「雨ニモマケズ」↓

ガン降りの雨にも負けないし
セットが崩れる風にも負けないッ☆
ホワイトクリスマスな雪にも
バッチリ日焼けできる夏の暑さにも負けてなんかないロハスな精神と魅惑ボディを持ち
自分磨き以外の欲はなくて絶対愛されオーラを出して
いつも静かに常に上目遣いで笑って小悪魔スマイル!

ゼフュロスは雨をたづさへ街路樹とわれらを濡らす、別れを言はう 大辻隆弘『水廊』

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2008年8月16日 (土)

ま昼の星

昼見えぬ星のこころよなつかしく刈りし穂に凭り人もねむりぬ 白秋

「あっても見えない昼の星、見えないけれどあるんだよ。」ってことなんだけどねー。
なんちゃって金子みすずと白秋の夢のコラボ?なこの歌が好き。

で、八月はベリー公の「いとも美しき時祷書」8月の絵。ま昼かがやく星座。

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遊んでるのかな、漁をしてるのかな。いえ、前面の人々ではなくって、後ろの川で泳いでいる灰色なひとびと。まるで河童。

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夏はわたしたちの家庭全体が童話の甘美な、のどかな、おほまかな空気につゝまれてしまふのだ。大人も子供もなつかしい童話の世界に立ちもどるのだ。吉田紘二郎「八月の星座」

ヨーロッパは中世の夏に河童がいたかどうかはさておき。

「見えないけれどいるんだよ」ということで〈違


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2006年12月17日 (日)

ルミナリエ

吹奏楽部に入ってる次男・三男の演奏会のために夫と神戸に。
中華街を歩いていると雨が降ってくる。
いつもいくお店で豚まんを食べ、ぶらぶらとセンター街へ。
昔よくいった古本屋はあるだろうか・・と思ってたらちゃんとあったので安心する。
お店の雰囲気もむかしそのままでうれしくなる。

このたびの演奏会はコーラスもあって、変声期前の三男も並んで歌っていた。
なにを歌ってるのかトンとわからなかったが、あとで聞くとラテン語だったという。

帰り道、もう暗くなっていたので、はなしのネタにと思い回り道をしてルミナリエを見に行く。
出走前のホノルルマラソンのように?、人であふれかえったありさまにまずは怖気づく。
どこもかしこも人でいっぱいのクリスマス前の神戸。
冷たい雨模様にルミナリエの光がにじんで綺麗だった。

毎年いまごろに演奏会があって、そのたびに夫と神戸にでてきて。
ふたりで美術館にいったり旧居留地のカフェでお茶を飲んだり。
今年はルミナリエを見ることができた。
いろいろあったこの一年だけれど。
来年も元気で神戸に来れたらいいな、と思う。


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2006年10月30日 (月)

昨日のレポート

昨日は『玲瓏21年・全国の集ひ』の記念講演、小池光による「短歌というリズム」を聞きに行ったのだった。
小池光の分析する塚本邦雄。以下、至らないながらもそのときのメモ抜粋。

「短歌は読もうとする意識によって短歌となる」
(荷風の「濹東綺譚」の文章のなかに短歌の韻律があることにふれつつ)「練り上げられた文章を書いていると五七五七七になるということが日本語にはあるかもしれず」
(七五調と五七調について)「五七調の詩などを読むときは用意ドンで最初で休む。音楽でいうとシンコペーションに似てる」
「五七五七七を読むときは五にかかる時間と七にかかる時間が同じ」「緩・急・緩・急・急、と自動的に速度の調整をしている」「身体で感じることが大切」

(塚本邦雄の短歌について)
「七五でも五七でもない第三のリズムを追求していた。それはまったくこれまでにないリズムだった」
「これを作ったのは20代の前半・・自分の作ったものの前になんだろうこれは、とたたずんでいるイメージがある」
「脳がふたつにわかれて、散文と短歌として読むことを同時にする」「一首を読みながら二人の人の声とリズムを感じさせるような歌」「共鳴・重唱」「二重声楽」
「不思議なリズム。ユーモアといわぬ、おかしさ。ほとんど笑ってもいいような痛快なおかしさ」「これは笑いが出てくるのが正しい読み方」
「ときめくような美しい。けれど力あふれる歌」「それはもう、エロティシズムですよ」

(茂吉・森岡貞香・穂村弘らの歌をあげつつ)
「こんなに評判の悪い歌もない」
「こういうのを見て塚本さんは塚本さんらしさを発見していったのでは」
「リズムをはずした方がリズムが立つ。踊りの名人のような歌」
「面白さとか良さとかよくわかりません。それ以上のこと、しゃべることあまりありません」
「五七五七七は単なる決まりだから守りますよ、というか、それだけ」
「そういう発想はしていないのではないか」「デジタルっぽい」

(林和清さんによる「インタビュー」から)
(「佐野朋子のばかころしたろと思ひつつ教室へ行きしが佐野朋子をらず 小池光」の佐野朋子とは実在の人物か、という質問に対して)
「作者は言わない。どう言ってもがっかりする」

その他いろいろ、
鴎外の歌について、「「勅封(ちょくふう)の笋(かたんな)の皮切りほどく剪刀(かみそり)の音の寒きあかつき 森鴎外ここにも引用
の「剪刀」は諸説あるが、(はさみ)が正しい←・・ガーン!(ショックをうけている
だの。
「句またがり」っていうのはエロティックなんですよ。
だの。
なおはなしもありいの、盛りだくさんな内容でした。

このようなお話を聞く機会を与えてくださった関係者・スタッフのみなさまに深く感謝します^^


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2006年10月23日 (月)

境港市短歌大会に行ったよ 1

早起きして新幹線やらやくも1号やらを乗り継いで、短歌人の方々と合流しつつ秋晴れの山陰を半分物見遊山気分。特にやくも1号。ものすごー揺れるしごーごーゆー電車だったけど、車窓の眺めは絶品。気持ちのいい田園地帯やここはどこ? とゆーよーな立派な渓谷やらをぐんぐん走ってくれて「ほー」だの「わー」だのいいつつ米子駅へ。そこで短歌人の倉益敬さんのお迎えをいただき、宿泊組の「塔」の池本一郎先生や「短歌人」の小池光せんせい、谷村はるかさんらにご挨拶。しかるのち鬼太郎ロードとして有名なかいわいを妖怪のブロンズ像やらお店に並んでるグッズをめでつつ散策。と、ねずみ男やら鬼太郎の着ぐるみ(だろ?、まさか本物とか、ヤだよ)のかたがたが歩いてこられ、人間と妖怪たちの共存共栄をアピール。とゆーわけで谷村さん写す鬼太郎と池本・小池両先生というかなり貴重なお宝ショット・・ここにアップできないのがつくづく残念。
お昼は行列のできるお店として有名だという境港の魚山亭。いやー、ぴちぴちとれとれの海鮮どんぶり、おいしかったです!
それから松林がどこまでもつづく風光明媚な海岸地帯をドライブしてもらいつつ、短歌などすっかりどーでもいーよーないい気持ちになったところで短歌大会会場へ。

講演会やつづく歌会などのおはなしは(たぶん)明日アップしますが・・

猟を終へトラックで帰る猟犬の背のうつくしく夕陽見てゐる みほ

なる一首、講評の小池せんせに
「やや主観的」「犬は夕陽を見ない」
ときっぱりずばっと一刀両断。
わたしてきには「トラック」を「軽トラ」にすればよかったにゃ~、と悔やんでたレベルじゃないお駄目さ加減にむしろ爽快な気分にv
・・とゆーか。
「犬だったから駄目だったのよ。小池さんは猫好きだから、猫にしなきゃ」
なるなぐさめを某氏にいただきぎゃははははは、とw

熱気あふれる大会は夕方に終了。またまた倉益さんに米子駅まで送ってもらい、お土産に高橋もんだる院院長、高橋浩二さんに「妖怪珈琲」「目玉のおやじ汁(ドリンク)」「妖怪汁(ドリンク)其の弐」をいただき帰路につく。
子供たち、おおよろこびで飲むのを楽しみにしつつ飾ってます。
高橋さんにはこの場を借りてお礼もうしあげます。

みなさんの親切と熱情に元気と感動をいただいた会でした。
みんなみんな本当にありがとう。

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2006年10月21日 (土)

講演会に行ったよ

今日はお天気もよかったので姫路文学館の講演会に行ってきました。
自転車漕いで行ける距離でらくちん。

文学館に入ってすぐ、胸の白い大きな花のブローチが印象的な、黒づくめのえーれがんと、なお方に会う。
誰? なんだかオーラがすごいんだけど・・
講師は歌人の青井史先生と聞いていたが、まさかこんな方だったっけ、とあやしく思いつつ、
講堂にあがると講師の青井先生は急病とかで、かわりに山田登世子先生が「晶子とシャネル 1900年 パリ-東京」というおはなしをしてくださるということでなーるほど、と合点。

与謝野晶子というとどうしても短歌や評論から見てしまうが、ファッション史から見た晶子というのはなかなか新鮮で、図版もたくさんで面白かった。

晶子はアンチフェミニストだった。それはシャネルも同じだった。
だの。
晶子が見たパリのファッションはシャネル出現以前のものだった。
だの。
だからよく晶子の写真でみかける帽子ってのはシャネルのじゃない。
だの。
のち渡仏した深尾須磨子が与謝野晶子のもとに行ったとき、そのファッションを評して「アメリカ風ですね」と言った。
だの。

晶子はエレガンス。髪を詠む。シャネルはメンズ的実用。髪を切る女。
・・そんな風に断絶しつつ、ふたりは似ている。

シャネルのファッションはどこまでも「シャネル自身としてのモード」だった。そして、晶子の歌もまた。「芸術は自己の群像である。一にも自己、二にも自己。三にも自己。絶対に自己」

(私の表現者)、その精神でもってつくられた作品ゆえに、ふたりは深く大衆の心をつかんだ・・ということだろうか。

というようなおはなしだったか。
わが偏愛するうるわしの19世紀風オートクチュールファッションプレート(つまりシャネルによって虐殺される以前のモードね)とアールヌーボーの図版てんこもりの、至福の一時間半でした。

講演会に来ていたのはお世辞にも若い方ってのはおらず、それを見てくだんの先生、
「晶子は若い人に人気がないですね。
俵万智さんにがんばってもらわなければ」
とおはなしをはじめる前にまずは一発。

・・。

チガウダロ、と言ってもいいですか、とw

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