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2006年7月31日 (月)

しずかに、しずかに

このごろ毎晩のように眠る前に故高瀬さんの歌集(『高瀬一誌全歌集』)を読んでいる。するとときどき、これってなに?って歌がある。

パロマガス湯沸器は熱くなるにしたがいしずかにしずかに 高瀬 一誌『スミレ幼稚園』

もちろんこの歌とこのごろ問題になっている一連の事件が関係しているはずがない。だが快適なライフラインにはじまる私たちが疑うことなく享受してきた世界への疑いが、・・しずかにしずかに・・というなんともいえない不気味な一節によって際立たされているのは確かだと思う。

しかし高瀬さんはなんでこんな歌をつくったんだろう。極端なはなし、高瀬さんの歌のどれをとってもそういう疑問からは逃れられないにしても(ごめんなさい)、

・・しずかにしずかに

・・なにかが始まっているのではないか。わたしたちはそれに気がついていないだけではないか、と思ったりするこのごろであったりする。

「一九六〇年直前頃からプロパンガス、都市ガスの普及の影響を受けて、全国的に薪・木炭の生活に変化が生じた」(古島敏雄『台所用具の近代史』 p6)

土曜日に学校があったころ(笑)

あれは70年代だったのかなー。ぶらぶらおなかをすかせて家に帰ってきて、ペタンとすわったテレビの画面にたぶん、なんだかおかしな番組(「道頓堀アワー」、らしい)ってのがいつも映っていて、土曜日ならではのうららかなお昼を引き立ててくれていたが、そのCMがたしか、「♪練炭豆炭み~んなじゅーぜん」、てのだった。

つぎつぎにベルトコンベアにのせられては作られる練炭・豆炭の映像を子供のころのわたしは毎週、ずーっと見ていた。ベルトコンベア・おん・回転寿司などない子供時代のことだった。 (え?

「♪行火(あんか)に炬燵(こたつ)、みーんなじゅーぜん」 (そのあと軽快な音楽とともに女性によるナレーションがはいる)←よく覚えてるなー。全人格を投入して見てたのかもしれんなー。

十全商会→ここ

工場 →ここ

・・しずかにしずかに、「火」は練炭豆炭からガスへとシフトされていったにしても、抗いがたい時代の流れを感じていたのだろう、お笑い番組の間あいだに、子供心に十全のCMをうら悲しいものとして見ていたような気がする・・

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コメント

「しずかにしずかに」はたいそうに不思議な響きですね。パロマガス湯沸かし器はローリング・ストーンズと似ているとおもいました。意外な発見。

ストーンズの演奏パターンの一つに最初静か始まり、後半たいそう盛り上がる、というのがありますが、ぐっと押えたというか、うちにいったん籠もったものが底から湧き出るごとくの盛り上がり方です。ヘビメタとの違いです。

ところで、うちは散髪屋でした。住宅はがっちゃんポンプだった頃から、店には瞬間湯沸かし器があり、いつでも湯が出るなんて凄い!と思ったものです。

さらに、うちの隣が燃料屋。といってもガソリンやプロパンガスではなく、炭、練炭、豆炭、たどんなどを売っていました。

ふと懐かしい気分になりました。思い出せば、地下水は湯沸しの必要がなかったですね。まさに冬暖か、夏冷たい。スイカや麺類を冷やすのにちょうどよい温度になりますし。

それにしても企業の嘘つき体質には呆れるばかり。

投稿: おっと星 | 2006年8月 1日 (火) 19時56分

☆おっと星さま♪

>パロマガス湯沸かし器はローリング・ストーンズと似ている

パロマ、ってのは鳩、って意味でしたっけ。そういえばローリング・ストーンズのキース・リチャーズがついに「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウの父親役で出演することが決定したらしいですね。たのしみですね!! 

お湯が沸くありさまってのは、じっとみてると心ひかれるものがありますよね。
古代、「探湯-くがたち」、でしたっけ。熱湯に手を入れて有罪無罪を決めるって裁判方法があったらしいですが、パロマ幹部を探湯にかけたら、どんな結果がでるか。興味津々。

>燃料屋

そうそう。夫の親戚もむかし、そんな仕事をしてました。かなり手広く商いをしていたらしいです。
時代の変遷に家業もかわっていきましたが・・なつかしいですよね。

>思い出せば、地下水は湯沸しの必要がなかったですね。
>まさに冬暖か、夏冷たい。スイカや麺類を冷やすのにちょうどよい温度になりますし。

きゃあああ! スイカ! おとつい食べたんですよ~~。
おっと星さまのところは質のよい水があるんでしょうね。うちは水がまずくて・・。毎日のように近所のスーパーの浄水を汲みにいってます。水汲みの苦行を現代で体験しようとは・・です。


投稿: 美頬 | 2006年8月 1日 (火) 21時08分

キースの映画出演ねえ・・・どうなんだろう・・・あれだけ凄みのある人でも、なれない演技となると借りてきた猫のように大人しく見えるからなあ。

プロレスラーの場合も、同じようなことがいえると思います。役者のほうが、強そうに見えるものです。

例外は、本人役で出るとき。例えば力道山が力道山役で出ている映画が何本かありますが、どんなにぎこちなく演技していても底から出てくる迫力がありました。

役者が、どんなに上手に演技を試みても、本物に適わないのが、政治家や財界の大物の役。あの底知れずのたぬきぶりはまねできない。と僕には見えます。

投稿: おっと星 | 2006年8月 2日 (水) 02時55分

いえいえ、そもそもジャック・スパロウそのものが、キースをいろいろモデルにしてるらしいですから・・たのしみですね。

>役者が、どんなに上手に演技を試みても、本物に適わないのが、政治家や財界の大物の役。

月曜の「TVタックル」でときどきやってる時代劇「風雲永田町」では、現役の政治家が本人役で出てきてますね。みんななかなか芸達者でめちゃくちゃ面白いですよね。「あの底知れずのたぬきぶりはまねできない」、まさしく本当だとおもいます。

投稿: 美頬 | 2006年8月 2日 (水) 07時58分

「日本列島沈没」で総理大臣役は丹波哲郎だったですよね。役者としては一癖も二癖もある個性のある方。その存在は奥深いものがあると思います。

いっぽう、アメリカで、エルヴィスの歌を歌ってみせる人、あの選曲はいただけない。I Want You I Need You I Love Youははっきりと性的に「欲しい」という歌。世界の舞台での赤っ恥に気が付いていない。そんな浅い人なんですけどねえ・・・しかし丹波さんでも演じ切れない底知れぬ恐ろしさはあります^^;

投稿: おっと星 | 2006年8月 2日 (水) 19時08分

>総理大臣役は丹波哲郎だった

ついでにいろんな映画における総理大臣を演じた役者さんの特集、ってのを調べてみました。日本の「総理」ってイメージがわかりやすくていいとおもいますね。異色なところでは水野久美って名前も。http://cinema.intercritique.com/pov.cgi?id=5063

>エルヴィスの歌を歌ってみせる人
>丹波さんでも演じ切れない底知れぬ恐ろしさはあります^^;

そうですよね。本人は織田信長のファンってことらしいですけど、パフォーマンスのレベルとかはどうも秀吉タイプなのでは、と。エルビスじゃないから「イマジン」歌うはずもないけど、「性的に「欲しい」という歌」を堂々と歌いのけるというような国辱ものの勘違いかげんも、むしろ変な余裕にみせてしまうというか。平気でバカができて、それを笑っているひとたちをまた陰から冷たく笑って見ているというか。

ヌエ、と呼ばれたり鈍牛とよばれたりって日本の宰相ですが、この秋に辞める方は後日、なんと呼ばれるんでしょうね。

ちなみにジャック・スパロウのスパロウって・・スズメ、って意味なんですか? キース百まで踊り忘れず。はやく映画、見てみたいです。


投稿: 美頬 | 2006年8月 2日 (水) 20時45分

雀はスパロウですが、ジャック・スパロウのスパロウと同じかどうか知りません^^;片仮名で書けば、米もしらみも「ライス」ですから^^

ちなみに、どうしても総理がエルヴィスを歌って見せなければならないなら「IF I CAN DREAM」が適当でしょう。

私事ですが、二ヶ月ほど前のこと、ある雑誌でのインタヴューのときエルヴィスの歌を歌ってしまいました。部屋に楽器が沢山あるのを見てそのことをいろいろ聞かれたからです。器のデザインに感じるリズム感と結びつけた記事が出来上がりました^^

ちなみに、そのとき歌ったのは、「MY BABY LEFT ME」で、エルヴィスが大手RCAに移籍したから数少ない(ブルーズを)ロッカビリー(に編曲した)の一曲です。

投稿: おっと星 | 2006年8月 2日 (水) 21時46分

>ジャック・スパロウのスパロウ

マイティ・スパロウってアーティストの名前が「偉大なスズメ」ですから・・スズメかしら、と疑いなく信じてました。というか、英語じぇんじぇんワカリマセー、ですから。
http://66.102.7.104/search?q=cache:hOgbkP6QK_gJ:www.jetsetrecords.net/columns/feature/36.php+%E5%81%89%E5%A4%A7%E3%81%AA%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A1&hl=ja&gl=jp&ct=clnk&cd=1

>どうしても総理がエルヴィスを歌って見せなければならないなら「IF I CAN DREAM」が適当でしょう。

そうですね・・でもあの勘違い大統領が相手ですからねえ。あえて「ゴーイング・ホーム」なんか、どうですか。♪砂漠の砂はまるで黄金の輝き~この道は、血と汗と涙の結晶さ~♪
「明日へ架ける橋」なんか、
♪疲れ果て自信を失い
君の瞳から涙があふれる時
そのすべてを私が乾かしてあげよう
困った時や友だちもいないときには
君のそばにいる
荒れた川に架かる橋のように
この身を横たえよう
荒れた川に架かる橋のように
この身を横たえよう

♪闇におおわれ傷ついた時には君の力になる~

・・感激されるんじゃないでしょかね。

>ある雑誌でのインタヴュー

え? どれですか???
また教えてください。即買いです!!

エルヴィスは空手8段だったらしいですね・・だからといってどういうことでもないけれど、きのうの亀田兄の試合、からっと夏空!といった風でもなかったような・・

投稿: 美頬 | 2006年8月 3日 (木) 09時03分

え!え!え!「ゴーイング・ホーム」!?!

もしかして美頬さん大変なエルヴィス・ファンですか?

この曲を知らなくても「私はエルヴィスの大ファンです」と言って問題ないほど、彼の中でマイナーな一作ですよ^^;

「明日へ架ける橋」はエルヴィスも歌っているけれど、エルヴィスの曲というには無理がありますね。

マジになるなら「IF I CAN DREAM」。本気なら「DON'T BE CRUEL」(直訳;私を残酷にあたらないで)。世界から笑われたいなら「I NEED YOUR LOVE TONIGHT」意味分かりますよね^^

ボクシングのホームタウンひいきや、サッカー界の汚さは今分かったことではないですけどね^^ジダンのことだって、今回の問題の下にある事のほうが大きいですから。スパッといってしまえば「挑発して怒らせて、上手くいけば出場停止にする作戦」の可能性が大きいです。僕は驚きませんけどね^^スポーツ界は汚いところと常々感じていますから^^

雑誌のことはうちの画像掲示板にあります^^

投稿: おっと星 | 2006年8月 3日 (木) 14時08分

>雑誌のことはうちの画像掲示板にあります^^

さっそく本屋さんにGO!します。お教えいただきありがとうございました。

エルヴィスのことは、お恥ずかしい。大急ぎで歌詞なんかをアップしているサイトさんとかを見て回ったってのが真相で。これから聞きまくります。またお教えください。

>スポーツ界は汚いところ

誰でしたっけね。新チャンピオンのことを「ヒーローにもヒール(悪役)にもなれるキャラクター」って言ったらしいですが。
悪役は好きですよ。でもそれはリング上でのこと。本物の悪役にしちゃあ、駄目ですよね。

このタイトルが本人のためになるかどうかは・・これから次第でしょうね。って、短歌でなにかのタイトルを持ってるって訳でもないわたしの、単なる遠吠えなんですが。

投稿: 美頬 | 2006年8月 3日 (木) 21時01分

「いろんな映画における総理大臣を演じた役者さんの特集」のサイト面白いから、水族館にも紹介します^^

投稿: おっと星 | 2006年8月 4日 (金) 14時53分

力作サイトですよね。

加えてテレビドラマ篇というのもあるといいなあ、と(笑

近いところでは小泉首相役のくーちゃんパパ、ってのがありました。

投稿: 美頬 | 2006年8月 5日 (土) 20時29分

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