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2006年5月13日 (土)

置き所

ここ数日の強風は青嵐というようなものではなく、鉢が倒れ風除けのラティスまですっとんでしまうという暴風そのもの、おかげで開花寸前だったベランダの薔薇たちは蕾をぎっしりつけたままの姿で、あわれどれも立ち枯れ寸前となってしまった。
すこしでも風の来ない場所をさがそうとして真夜中でもわさわさした鉢をかかえて走り回った苦労も水の泡、いや風前の塵というべきか。
ベランダに落ちている開花寸前の蕾を拾いがてら数えてみると、軽く30にもなろうか。しかもどんどん数量更新中というありさまにマジ発狂寸前となる。
落ちてる蕾を捨てるにしのびなく、ドライフラワーにでもしようかと思い、嘆きつつ靴下なんかを干すのに使うアレにつるしていると、その作業をじっと眺めていた次男に
「おかあさん、なにしてるの・・それなにかの宗教か、おまじない?」
と怖そうな声でおそるおそる尋ねられ、そりゃあ母親が嵐の真夜中に髪ふりみだして目を血走らせ、ぶつぶついいながら花の首ならべてたらこわいわな、とw

今年の風は強烈よ、という声も聞くが、こんな状態で台風シーズンを迎えたらどうしよう、としんそこ恐怖。たしか温室や物置やらはベランダにおいてはいけないと規約に書いてあった気がするが、だったら藤棚ということにして、そこに防風シートを張って薔薇はそこに置いたらどうだろうか・・とただいま真剣に検討中。

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花瓶(かめ)のおきどころなしあやめさして箪笥(たんす)の上は高すぎにけり  三ヶ島 葭子

金田一少年の事件簿にでもありそうなものすごい大嵐の夜、薔薇の大鉢をかかえてうろうろうろ・・なおはなしとはうってかわって^^;
・・三ヶ島 葭子といえばつい「超不幸な家庭生活」という刷り込みがされてしまってて、だからこんな歌をみると、初夏の頃、きれいな花をさした花瓶をかかえて家の中をうろうろしているすてきな若奥さん、というようないかにもかわいらしい、娘むすめしたおままごとのようなうれしはずかしな図を想像してしまって、病気貧困震災妻妾同居また病気・・そんな不幸スパイラル人生のなかにも案外幸せなひとときもあったのかしらんとついほほえましく思ったりしてしまうが・・

「おきどころなし」ってところにやっぱり自分の居場所が見つけられない困惑というか嘆きというものがあるのかしら、と。
人も花も、難しいのはその置き場所、というものか。

瓶(かめ)にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上 にとゞかざりけり 子規

これは箪笥の上に置いてたから届かないって歌ではないけれど・・な歌。
そういえばこの大嵐で藤もすっかり散ってしまったなあ、と。

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コメント

お風呂に浮かべるとか。
バラの花びらで窒息させる死刑がローマにはあったらしいですが。

投稿: 佐山 | 2006年5月13日 (土) 22時35分

おはようございます。
>バラの花びらで窒息させる死刑

あ・・このおはなし、たしか木原敏江のマンガでわたしは知った気がします。
木原敏江といえば・・
「愛は不死鳥のように」だと思うのですが。戦時下のフランスで主人公の住むお屋敷が接収されて、そこにドイツ軍の将校たちがやってきていろいろ困ったこともおこるんだけど、なかのひとり(長髪の美青年。フィリップ?)がとっても親切で、というようなおはなし。子供のころに読んで大好きだったんですが、佐山さまはご存じないですか?

薔薇風呂はねー。花びらを回収するのが結構タイヘンなんです。金魚すくいのように網で集めるんですけどね、赤いのなんか、金魚みたいですよ^^

投稿: 美頬 | 2006年5月15日 (月) 08時34分

その話は覚えています。
少佐の名前はカール・レギーネ・フォン・リヒテルでした。
花よゆめコミックス『エメラルドの海賊』一巻の巻末に収録されていました。
木原敏江は短編にも秀作が多いですね。

投稿: 佐山 | 2006年5月15日 (月) 14時01分

>少佐の名前はカール・レギーネ・フォン・リヒテル

うわ! 記憶の底に眠っていた物語だったんですけど・・実在してたんですね!! リヒテルですかー。私の場合、音楽家じゃなくって、『闘将ダイモス』で地球に攻めてくる天使型異星人の司令官ですね!!

>花よゆめコミックス『エメラルドの海賊』一巻

おおお。さがしてみます!!
週マ掲載時、子供のころに読んだっきりで・・読めばまた、感動して泣いちゃうかも。

投稿: 美頬 | 2006年5月16日 (火) 08時31分

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