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2006年4月29日 (土)

旅先で逢った桜

父との旅行からかえってきた母に電話してみたところ、母は旅先で見た桜のことばかりしゃべっている。

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・・一歩的なのは昔からだが、あまりふかくものごとにこだわったりしないひとなのに、なにゆえのにわか風流・とってつけたような桜狂いなのかと不思議。
それでその桜というのも母が言うにはぼーっとした緑色をしていて、咲ききったらピンクになってて、ぼやぼやって白くって、とにかくすごいねん・・
ってまったくなんだかとりとめがない(画像ナシ^^;)
なにかの夢のようやね、とあきれ気味に言うと、
そう、夢のようやった・・と。

その温泉地はむかし一度行った所で、そのときその場所にその桜はなかった、と母。
え?いつのこと?と聞くと、20年ほど前のことらしい。
・・母は早起きのひとで、いつも夜明け前から活動しているというひとだが、旅先でも朝がはやい習慣はそのままで、いつものように起きだして父を置いて散歩していたら、霧の中、桜が咲いていた。
いつの間に誰が植えたんだろうと思いながら足をとめて観ていると、近くの家から女の人がでてきたので、話しかけてみた。
・・関西のおばちゃんのものすごいところは^^;、はじめて会った見ず知らずのお人となんということのない世間話が普通にできることで^^;、あんのじょうその方こそ、桜を植えたひとだと知れた。

そうですか。以前ここに来られたことがあるんですか。
おっしゃるとおり、そのときは桜はなかったです。
・・さびれた温泉地で、近所の○○温泉なら人気はあるんですけどね、こっちはダメなままで・・空き地ができるとずっとそのままで。
そういうことでだれも気に留めず放置されてたこの場所に、あるとき思い立って何本か苗をうえてみたわけです。
それからのことです。
そう、もう20年になりますか・・

静かな夜明けの頃、ひそひそとかわされた会話。
土地のひとと旅人と、桜が結んだ縁。
主婦の朝ははやい。あわただしいなか、花を見上げながらのほんのひとときだったらしいが。

百年の椿となりぬ植ゑし者このくれなゐに逢はで過ぎにき 稲葉 京子

ずっと生き続ける印象のある木のなかで、桜は案外寿命が短く、里桜では100年ぐらい、山桜では150年ほど。中には 樹齢1000年を越すというものもあるらしいけれど・・

抱(いだ)かれてこの世の初めに見たる白 花極まりし桜なりしか 稲葉 京子

花とならむ花とならむと渾身にかかげしものをいのちもて見つ 稲葉 京子

ソメイヨシノの寿命は5~60年というところらしい。
人生50年。
・・そんなところも、人がこの花にわが身をかさね、心ひかれてやまない理由なのかしらん、と。


追加:

緑色の桜だが・・

御衣香(ぎょいこう)という桜ではないだろうか。
最初は淡い緑で、次にクリーム色になり、最後に淡いピンクに変わるのだとか。
ほー。

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