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2005年10月20日 (木)

なよたけのかぐや姫

復活したテレビ番組『日本昔ばなし』を子供たちと観た。第一話は「花もほころぶかぐや姫~♪」の歌にもある「かぐや姫」。
昨今のアニメの流行をかたくなに拒否したようなかわいげのない^^;絵柄、そして語り口。
このごろは満月で、月がきれいだが・・
このリバイバルは、一度隠れた月がまたよみがえったようで、
先日観た満月を思ったら、ひときわ味わいふかい「かぐや姫」だった。

DSCF0627

そういえばかつて不動の人気を誇っていたこの怪物番組の視聴率を奪ったのは、たしか『セーラームーン』だったと思う。
「月にかわっておしおきよ」の決めせりふの月の国のプリンセス・セレニティーが、かぐや姫~♪の凋落を招いたというのも、なんだかなあ、と。

かぐや姫、といえば思い出すSFがある。
「月夢」星野之宣(『妖女伝説』所収)・・

月面での活動中に宇宙飛行士がが突然暴走をはじめてしまう。
呼び止めようとする仲間たちを振り払い走り続ける、その日系人サカキの正体。そしてその目的とは・・

というおはなし。
短編ながら、強烈なインパクトがあり、むかし最初読んだとき、途中から完全に号泣モードにはいってしまったものだった・・
こちら

映画『春の雪』の原作は、長編『豊饒の海』のシリーズの第一巻だが・・
豊饒の海というのは、そもそもが月面の地形につけられた名前。
月は死と再生を繰り返す不死の象徴。
・・最終巻を書きあげたのち三島が死んだというのも
なにか関連がありそうで、そんなことを思い出してしまう、このごろの月のあやしい明るさで・・

抱く髪抱かるる髪くらぐらとたちくる死者を春と呼びにし 永井陽子『なよたけ拾遺』

そういえばかぐや姫ことなよたけのかぐや姫から題を得た『なよたけ拾遺』のもうひとつのテーマは、作者の父の死であった。
歌集で繰り返し描かれる死のイメージは息苦しいが、それは再生を待つ月への祈りでもあったということかもしれない。

いさよひの月掻きいだく手のなかにひとのやうなる影あるばかり 永井陽子『なよたけ拾遺』
月明の竹林にねむる 否、ビルのましたにねむる夭きこころは 永井陽子『なよたけ拾遺』

現代の夜はあかるくなってしまい、月のことなど誰も見ていないと思われがちだが、
こんなふうに月はさまざまに姿をかえて、今も夜空に輝いているということなのだろうか。
人の心に夜あるかぎり。
否、人の心が夜を求めるかぎり。

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コメント

このたびの満月、部分食だったとのこと。
どうりで、観ていて変な形の月だと思った。

この写真はたしか15日の夕方に撮ったもので、微妙に満月前のものw

投稿: 美頬 | 2005年10月20日 (木) 10時15分

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