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2005年10月 5日 (水)

「春の雪」の漫画化

10月12日(水) 週刊女性にて、三島由紀夫原作『春の雪』の劇画連載開始。御大・池田理代子が絵をかくらしい。「今年は生誕80周年、没後35年の節目の年にあたり」「今回のコミック化は、池田理代子さんの知人が三島さんの遺族とも交流があったことから」とのこと。(記事を引用すると長くなるので省略→ここ


「三島小説はその世界観が重んじられ、ほとんど漫画化されていない」「精ちな文章で描かれる三島小説は、その世界観を大事にしたい意向から、遺族も漫画化に慎重だった」

わたしは漫画はむかしのしか知らないが、作家の技量は、たしかにむかしの方がすごかったと思う。ただ、そのころはやはり文芸作品をビジュアル化することに抵抗があったし、だからといって現代では、三島作品をビジュアル化できる作家がいるだろうかということなんだろう。
たとえば、むかしの山岸涼子なんか『近代能楽集』とかかなり似合ってたと思う。

大正時代が舞台の少女漫画っていうと大和和紀の『はいからさんが通る』を思い出してしまうけれど、『ラブパック』を『あさきゆめみし』に昇華したような『春の雪』を見てみたい気もするが、仕方ないか。
でもどうせ漫画化されるなら『ニーベルンクの指輪』のキャラクターのひとりを最後、ヒトラーに変身させたくらいのデフォルメがほしいかもしれない。

実は池田さんは「ほとんど読んでいます」と話すほど三島作品の長年の愛読者。並々ならぬ思い入れがあり、数え切れない程何回も読み込んだ「春の雪」原作本は3冊も持っているほどだ。(略)

三島といえば聖セバスチャン、ってイメージがわたしにはあったが、そうか、池田理代子の漫画『オルフェウスの窓』の主人公たちが通う学校の名も「聖セバスチャン」とかいうのだった。
「私が20代の時、三島さんの死もリアルタイムで知り、大変な衝撃を受けました(池田談)」
ということだが・・
あの時代、あの事件に衝撃をうけない人はいなかったといえばそれまでだが、いわれてみれば「ベルばら」だって三島事件の影響を感じてしまう気もする。つまりあのバスティーユは兵たちが賛同した場合の市ヶ谷だったのか。

ところで『春の雪』はいわずとしれた『豊饒の海』シリーズの第一冊目。つまりエピソード1ってことで、漫画の方のもう掲載予定の女性週刊誌に予告編がでてるらしいから主人公の清さまと聡子級の配役は省略。

・・でも実はこの物語の本当の主役はあんただったかも、な聡子お嬢様の乳母の役は顔的にはベルばらのマロングラッセじゃダメね。清さまとの恋を泣いて邪魔しそうだし。
『雨上がり』のばあやさんだったら雪のなかお嬢様のお帰りをじーーっと立って待っててそのまま死んでしまいそうでこれもダメ。
『女帝エカテリーナ』のエカテリーナさまだったら・・
同時に手引きしてお嬢様と婚約者の間に既成事実をつくらせるという一種のアリバイ工作をやってのけた上、家に火をつけてみなの注意をそらしているあいだにお嬢様を無事身二つにしてさしあげ、やや子はあざらしの毛皮でぐるぐる巻きにして脱出させ、どこかで養育させておく、と。
それでもって『黒衣の伯爵夫人』のテオだったら・・
用なしになった清さまはあわれ地下室(座敷牢?)に閉じ込められて監禁されるか、きれいなお顔の人形につくりかえられるか、大きな鳥かごにいれられて天井からつるされ、下から槍でつつかれる、と (日本だから薙刀か

どうやら映画版のラストは原作と違う展開らしいけど・・
漫画版ではありえるかも、あざらし。(セイウチだったかも・・v

ということで第二作『奔馬』の飯沼(いいぬま)勲(いさお)は「オルフェウスの窓」のクラウスよりアニメ版「ベルばら」の方のサン・ジュストが正解だね、と。
ところで『奔馬』の鬼頭槇子(きとうまきこ)だが、軍人歌人鬼頭中将の娘で、歌人って設定って・・
モデルは斉藤史っておはなし、その弟子筋から聞いた事あるけど、そうだとしたら、むむむ。
・・絵画化するなら『オルフェウスの窓』のヴェーラが個人的に好き。冷たそうだけど情のある美人で、しかも陰謀だって偽証だってなんだって平気でできちゃう知力胆力をあわせ持つ、まかせて絶対安全剃刀って感じで、だって斉藤史なんだもんって、本当だろうか。

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コメント

記事、引用しときます。

+

三島由紀夫「春の雪」コミック化
映画に続き「ベルばら」池田理代子さんで
 俳優・妻夫木聡(24)主演、竹内結子(25)がヒロインをつとめる映画版(行定勲監督、29日公開)でも話題になっている三島由紀夫の代表作「春の雪」が、「ベルサイユのばら」で有名な池田理代子さん(57)により、初コミック化されることが2日、分かった。三島小説はその世界観が重んじられ、ほとんど漫画化されていないが、今年は生誕80周年、没後35年の節目の年にあたり、遺族も快諾。池田さん自身、長年、三島さんの本を愛読しており、描きたいイメージは膨らむばかりだ。

 大正初期の貴族社会での純愛、悲恋をテーマにした「春の雪」は、三島さんの遺作「豊饒の海」4部作の第1巻。1965年、筆者が亡くなる5年前の40歳の時に発表された。平安期の古典「浜松中納言物語」を下敷きにした、夢と転生の物語で、独特の社会の抑圧の中で激しく生きた若い男女が美しく、はかなく描かれる。

 今回のコミック化は、池田理代子さんの知人が三島さんの遺族とも交流があったことから。精ちな文章で描かれる三島小説は、その世界観を大事にしたい意向から、遺族も漫画化に慎重だった。が、今年は没後35年の節目でもあり、和洋問わず、壮大な歴史もので数々の実績がある池田さんが手がけることから、了承が得られた。

 実は池田さんは「ほとんど読んでいます」と話すほど三島作品の長年の愛読者。並々ならぬ思い入れがあり、数え切れない程何回も読み込んだ「春の雪」原作本は3冊も持っているほどだ。

 「私が20代の時、三島さんの死もリアルタイムで知り、大変な衝撃を受けました。『豊饒の海』を読みながら、ふと、もしかしたら亡くなられるのではないか、と頭をよぎったことを思い出します」と振り返る。

 すでに主人公の松枝清顕(まつがえきよあき)とヒロイン綾倉聡子の顔立ちも出来上がっている。気のせいだろうか。清顕はどことなく三島さんに似ているようにも見える。

 大正という時代については「母や祖母からも話を聞かされ、手元にある古い写真も役立った。主人が学習院出身でその学生服や皇族との交流も参考にしました」。先日は完成したばかりの「春の雪」の映画も見た。「映像とダブってはいけませんから」と重複しかねないところもチェックした。

 時間をかけて三島作品を読み込んできただけに、イメージは次々に膨らむ。熟した文化、豪華けんらんとも言える時代。「非常に描きやすかった。三島さんの作品というプレッシャーはなかった。むしろ感慨のようなものを覚えました」と話す。コミック版「春の雪」は11日発売の「週刊女性」から全10回にわたり連載される。
 
 ◆池田 理代子(いけだ・りよこ) 1947年12月18日、大阪府生まれ。57歳。東京教育大(現筑波大)中退。大学在籍中より劇画を描き始める。宝塚歌劇の舞台でも有名な「ベルサイユのばら」は1500万部を超えるヒット。多くの歴史大作がヨーロッパ、アジアで翻訳。95年、47歳で東京音大声楽家入学、99年卒業。声楽家(ソプラノ)でも活躍。夫は日本銀行考査局長だった賀来景英氏(現大和総研副理事長)。 (以下略)

http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/oct/o20051002_20.htm" rel="nofollow">http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/oct/o20051002_20.htm
より

投稿: 美頬 | 2005年10月 5日 (水) 09時16分

こんにちは

あの『奔馬』の鬼頭槇子、やっぱりそういうおはなしが
あるんですね
実は今、今回の映画化に誘われて「豊饒の海」再読中なんです
それで、只今、『奔馬』
改めて読んでみて、軍人歌人鬼頭中将の娘って、これって、あの方!よね
と勝手に思っていました
でも、本当は自信はないからお聞きしようと思っていたところです

投稿: 四波 | 2005年10月 5日 (水) 14時48分

おはようございます。
三島文学って持ち上げられるけど、僕ってホントーは違うのさ。コテコテのメロドラマだって書けるんだぜほいっ!って感じなのかなー、ってむかし思ってました>春の雪

>あの『奔馬』の鬼頭槇子

・・その話を聞いたのは数年前のこと。モデル、という言葉にひっかかって、ぜんぜん違うじゃん、ってろくすっぽはなしも聞かずそのままになっておりました。残念です。

斉藤史にはいちど講演会に行ったことがあります。凛とした雰囲気の、すばらしい方でした。あとでご挨拶に連れて行ってもらい、声をかけていただき緊張しまくりました。

投稿: 美頬 | 2005年10月 6日 (木) 08時30分

某女性週刊誌でキャスト拝見。
・・清顕さまの下まつげに仰天。以下省略。

投稿: 美頬 | 2005年10月 6日 (木) 14時42分

あらためて読み返し、記事の中の
「気のせいだろうか。清顕はどことなく三島さんに似ているようにも見える。」
に驚きまくり。
あのう、あの絵がどこの三島さんに似てるんでつか(殴
まあ、いいけどね。

投稿: 美頬 | 2005年10月 6日 (木) 20時51分

モデルって言葉はちょっと・・なんですね
設定拝借ってところでしょうか

某女性週刊誌っ、見たい
でも清さまの下まつげ?
ああ、どうしよう。ちょっと、見るのが怖いかも

投稿: 四波 | 2005年10月 7日 (金) 00時30分

モデルといえば、『宴のあと』裁判でしょうね。・・三島は、日本で最初のプライバシー侵害裁判の被告人とのこと。これって、トリビア?

>設定拝借ってところでしょうか

そういうことなんでしょうね。とにかくわたしもまだ若くって、モデル=評伝、というような認識しかなくって、評伝からはみでた物語なんて、という感じ方しかできませんでしたから・・
もっとよくそのあたり、聞いとけばよかったかしら、と思います。

>某女性週刊誌

ええ、なかなか・・ですよ。
聡子と皇太子妃雅子さまをいっしょに語ってみたり、と、御大のあいかわらずの天然ぶりは健在です。
清顕の顔は・・
『女帝エカテリーナ』にでてきた、エカテリーナの愛人のひとりの、なんとかいうひとに似てますかしら。でかい図体してて頭からっぽとか作中でバカにされてたキャラクターさんでしたっけ。

>ああ、どうしよう。ちょっと、見るのが怖いかも

秋なのに・・クールビズな気分になれますこと、請け合いです (ボソっ

投稿: 美頬 | 2005年10月 7日 (金) 08時10分

ディープな話題ですね。
三島作品と池田作品と 両方読み込んでいなくては、理解不能(笑)
かくいう私、「春の雪」未読です(恥)。
でも美頬さんの池田作品の登場人物との対照話は面白いです。
ところで、やっぱりマンガを先に読んだらマズイでしょ~か?

投稿: 草女 | 2005年10月 8日 (土) 00時04分

おはようございます。
今朝の「ベルばらkids」は、「ベルサイユのつる」、もしくは「つるばら」でしたね (意味不明

>やっぱりマンガを先に読んだらマズイでしょ~か?

すみません。マンガが先だと、原作が読めなくなるのでは、と (ぼそっ
「ああ、たまらなく不安だ。なんだか悪い予感がして(マリア・テレジア)」←うろおぼえ

>三島作品と池田作品

その伝でいけば、今朝のkidsは「仮面の告白」です(三島の代表作のひとつ)

投稿: 美頬 | 2005年10月 8日 (土) 08時23分

はい、今日は涼しい日でしたが、プラス クールビズで
見ましたわよ、見ましたわよ、清さま  
・・・・感想は・・・・うううっ、控えさせて頂きます

「どことなく三島さんに似ているようにも」
そうですねえ、あえて言うなら輪郭ぅ?
びっくりと言えば
誌の方で飛び込んできた大きな見出し文字にも
いえ、そちらはご性格のお話のようですが。

ところで映画の方飯沼カットなんですね
妻夫木君、(私の清顕のイメージとは違うのですが)
好きなので見にいくつもりなのですが
ちょっとがっかりです
やはり対極的存在として居て欲しかった

『宴のあと』裁判
ありましたねえ、そういうの。
それって被告人だけど三島は時代のさきがけだったってことになる?

『奔馬』読了、『暁の寺』に入ります
あまり昔に読んだので殆ど忘れている(恥・・)

投稿: 四波 | 2005年10月10日 (月) 01時50分

☆四波さま~

こんばんは。
いよいよスタートですわね >の雪
なんだかんだいいながら、読んでしまいそうです(つっこむため?

>あえていえば輪郭ぅ

きゃははははは~~!!(以下省略

>映画の方飯沼カット

う~ん。だったら以後の作品は撮るつもり、ないのかなあ。
コミック版の方は大活躍させるみたいだけど・・御大。
第二巻なんか、スピード感あるしコミック化しごろかも。

>『暁の寺』

ジン・ジャンなんか、サン・ジュストでいけるのではないかと・・(そればっかり
慶子さまは、その伝でいけば蕗子さまかしら、『おにいさまへ・・』の。

わたしも読み返してみたくなりました>豊饒の海
・・って、いままでつっこむだけつっこんどいて、なんなんだってかんじでしょうがw

投稿: 美頬 | 2005年10月10日 (月) 21時28分

>なんだかんだいいながら、読んでしまいそうです
スタートはいいけれど、あれを毎週買うのかと思うとちょっと
たじろぐのです
表紙、韓流だしぃ、レジのオバサン、顔見知りだしぃ(笑

飯沼、>コミック版の方は大活躍させるみたいだけど・
記事では4部作を念頭にと書いてあったから続編ありかも
だけど飯沼、素敵に竜馬風らしいので『奔馬』はどうなるの?

サン・ジュストはやっぱり勲の方に一票!
もちっと、ひ弱っぽい気がするけど

時代を経て読み返すと、全く違う読み方、楽しみ方が
出来るもんだなぁと、ちょっとはまってます

投稿: 四波 | 2005年10月11日 (火) 00時44分

それにしても本多繁邦のメンツのウワサが出てきませんねー。
四巻つづけて登場する重要人物なのにw
イザークなんかどう? 『オルフェウスの窓』でも長生きしそうだったしw

>サン・ジュストはやっぱり勲の方に一票!
>もちっと、ひ弱っぽい気がするけど

そういえばなんだか記憶では百合の花をどーとかする祭りの場面とかありましたっけ。
百合といえば・・ベルばらのアランかしら (またマニアックな
とすると・・案外いけるかも、アラン勲。
アランもヴェーラもサンジュストも黒髪ばかりで、ベタが大変w

>時代を経て読み返すと、全く違う読み方、楽しみ方が
>出来るもんだなぁと、ちょっとはまってます

そーなの。
三島の小説ってばたぶん美男子ってキャラ、多いから、おちょくりしごろというか^^

ああ、でも今日発売なんですね。本屋に行くのが・・こ・わ・い・・!(爆

投稿: 美頬 | 2005年10月11日 (火) 10時05分

とゆーか、御大のダンナさま、賀来景英氏(現大和総研副理事長)は熱心なトラキチらしいのに、このたびの阪神上場ネタ、御大はどう思ってるんだろう。

村上さんたら阪神よりもむしろ阪急を乗っ取って、あの宝塚を (・・不穏発言につき以下省略

投稿: 美頬 | 2005年10月11日 (火) 10時09分

第一回読了。絵がきれいで安心して読める。
聡子の乳母はその毛虫眉をとって若作りしたら『悪魔のくすり』のエベーラに似ているとおもう。
しかしいきなりのネタばれには仰天。しかもそのシーンでの乳母、老けすぎ。

投稿: 美頬 | 2005年10月14日 (金) 00時43分

見ました、見ました。
とりあえず、店頭で。
こう来たか・・と。

本多さん、衛兵隊にでも居そうな雰囲気。
飯沼は竜馬?とは少々違うような、しかし
思ったよりもいい感じと思いました
やはり、購入した方がいいかしらと考え中。
単行本になるのでしょうか。

投稿: 四波 | 2005年10月15日 (土) 00時39分

>こう来たか・・と。

たとえば推理小説なんかの最初で犯人を書いちゃってる、って感じなわけですからねー。
しかもあの場面、濡れ場とゆーよりどーみても敬老の日の孝行息子とばーちゃん、って感じでw
前においてるお膳の徳利?が気になりますw 

>思ったよりもいい感じと思いました

いやー、安心しましたw

>本多さん、衛兵隊にでも居そうな雰囲気。
>飯沼は竜馬?とは少々違うような

飯沼ってばやっぱりなんとなくアランぽくなかった? だとしたらMy予想は的中w
胸元の胸毛がャ・・だけど。
お屋敷の廊下をぺたぺた素足で歩くのはきっとNGね。

聡子にしろ清さまにしろ、せりふだけで性格とかを説明しすぎね。
10週だけの連載だから仕方ないにしろ、うーん。

kidsは実はまだチェックしてないのであります。
「見たい見たい見たい~~」なのであります。

投稿: 美頬 | 2005年10月15日 (土) 22時20分

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