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2005年6月14日 (火)

あたたかな本

子供の学校の学園祭の手伝いに街にでかけた帰り、もう店をしめようかという風情の古い商店街はどこまでも暗く、その一角、これまたさびれた感じの古本屋さんの店先のあかりだけがあかるくて、ふらふらと入ってしまう。

いい年齢のシロウト(笑)の主婦が燈点し頃、ひとりで古本屋さんの本棚の前でたたずんでいるなんて、どうみても落ち着かない雰囲気だろうなあ、と思いながら、目は書棚を走っている。高野公彦編の「現代の短歌」、「佐藤佐太郎歌集」(どちらも文庫版)があったので買う。
今日のお客はわたしでおしまいだろうかと思いながら清算する。
・・古本屋さんのおやじさんの頭上を煌々とてらすあかりのあたたかさ。
買ってあげられる本があってよかった。
本を持ってまた暗い商店街に戻った。

「現代の短歌」とあるが、佐々木信綱からはじまっているところあたり、なかなかである。
・・古い時代の短歌の、簡素なたたずまい。どうしてだろう。古臭いはずの歌を読み続けているうちに、尖ってささくれていた気持ちが泣きたくなるほどすうっと鎮められていく。
触れれば血が出るような、というような言い方は褒め言葉として使われるものだろうが、あまり鋭すぎる作品に触れるのは、今のわたしには少しつらい。
・・そういえば、手に触れたときあたたかな感覚を本に感じたのはひさしぶりのこと。
前のひとも大切にあつかいながら読んだものらしく、手にとってひらくときの感じが新刊特有のすがすがしい鋭さがないかわりに、ものやわらかく、やさしくあたたかいのがうれしい。
手近なところに置いて、家事の間に開いては拾い読みをしているものだから、しょっちゅうどこかに行ってしまい、そのたびにあちこち探さなくてはならなくなるのだが。
この本、時代くだって、辰己泰子がトリ。ゆっくり読みすすめていこうと思っている。

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