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2005年3月25日 (金)

あした、雪が降ったら・・

徒然草』第三十一段に

雪が降った朝、用があって人のもとへ手紙を送ったら、返事に「この雪のことを一言も書かずにいるような、ひねくれた人のいうことは聞けましょうか」と返事が来た。今は亡き人のことなので、こんなことも忘れられない。

という文があって、子供のころから好きだった。
「この雪のことを一言も書かずにいるような、ひねくれた人のいうことは聞けましょうか」
・・そっちの方がひねくれてるってw

結局、どんな用事だったんだろう。聞いてもらえたんだろうか。
相手はどんなひとで、どんな関係だったんだろうか。
きっとそれはなかなかひとには頼みにくい用事で、頼まれたひとにとってもいささか面倒なことであるような気もするのだが。
でもまぁ、こんなふうにさばさばした物言いをする人だったら、なんやかんや言っているうちにちゃちゃっ、とばかりに片付けててもくれていそうで、そんな関係のような気もするのだが・・

雪は天からの手紙(中谷宇吉郎)」という言葉があるが・・
そう。そういうわけで作者は、このひとのことを雪が降るたびに思い出すんだろう。
まるでそれは遠方はるかたまさか届く手紙を読むような気持ちにも似て。
「今は亡き人のことなので、こんなことも忘れられない。」
そして雪の中、そのひととのささやかな思い出に笑ったり、涙ぐんだり。
あげく、
・・あのときは失礼申した。あらためて雪のお見舞いをば。
なんてつぶやくんだろう。
すると、雪の舞う空のむこうから懐かしい気配とともに、
・・あなたって、つくづくばかなひとよね。
なんて声が、笑い声といっしょに降ってくるんだろう。


夕方から降っている雨が、さきほど見てみたら雪にかわっていた。
あした、積もっているだろうか。


(31段原文)雪の面白う降りたりし朝、人の許(がり)いふべき事ありて、文をやるとて、雪のことは何ともいはざりし返り事に、「この雪いかゞ見ると、一筆のたまはせぬ程の、ひが\/しから〔ひがんで居る、趣を解せぬ〕む人の仰せらるゝ事、聞き入るべきかは、かへす\〃/口惜しき御心なり。」といひたりしこそ、をかしかりしか。今は亡き人なれば、かばかりの事も忘れがたし。 ここ

追加(3/25)
えっと・・
結局、雪、積もってませんでしたです。えへへ。

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コメント

名残り雪…昔の恋人に思いをはせている人妻…しかし、みぞれは雪にならず…韓国ドラマ「冬の恋歌」の上をゆく純愛ドラマができそうですね。新宿駅をゆく500万人の男女のうち50%程度の方々がコートを脱ぐので、私も今朝からスーツ姿で出勤です。サラリーマンにとって重たい冬のシーズンがようやく終わりをつげるようです。愛知では万博もスタートし、日本の春が幕開けですね。

投稿: ぐみ坂のかぜ | 2005年3月25日 (金) 10時00分

☆ぐみ坂のかぜさま~

>名残り雪…昔の恋人に思いをはせている人妻

おそるべし、ぐみ坂のかぜさま。
そ・・そんなおはなしを記事にしたつもりではないのですけど、じつはわたしにも、雪にまつわる思い出のひとつぐらいはあり、書きながらちょっと思い出してしまったのは事実。なあに、しょせん春の雪のようにはかない思い出にすぎないのですが。うふふのふ。

今日はとても寒いですね。
こちらでは雪が先刻から霏々として・・どころではなく、びゅーびゅー、吹雪になって降り始めてます。

投稿: 美頬 | 2005年3月25日 (金) 15時23分

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